第6話 / 赤い顔

自分の席にもどった私は、ちくわをかじり、ビールを飲みながら、小木曽さん・深谷さんと雑談を交わしていた。ところが前日同様、アルコールのまわりが馬鹿に早い。ビールを1本空けたところで顔がずいぶん赤くなっているであろうことが自分でもわかる。深谷さんには一人で飲んだような顔をしていると笑われた。もともとアルコールが入ればすぐ顔に出る方なのだが、それでもこの日の変わりようは尋常ではなかった。昨夜からのじんましんの影響だろうか。

顔に出るというと、私は感情が表に出やすいことが悩みの一つとなっている。自分自身でも些細なこととわかっていることにすら、表情は過剰に反応して顔が赤くなったり青くなったり、自らの意志ではどうすることもできない。いつもの私のしまりのない笑い顔は、おそらくそうした表情の変化を隠そうとしてできあがったものだと思うのだが、どうも役に立っているとはいえないようだ。

それはともかくとして、昼間から顔を赤くして街中を歩くのも格好の良いものではない。大阪に着くまで何とか元にもどってほしいと思うのだが、こういうときほど時間の経過が早く感じる。やがて難波到着を告げるアナウンスがあり、ほどなく電車は終点の難波駅プラットフォームへと滑り込んだ。