第7話 / 落胆

私たちが大阪に着いたのはちょうどお昼過ぎだった。すでに電車の中で、大阪に着いたらそのあたりで有名らしい金龍ラーメンか自由軒のカレーを食べようと決めていたので、駅を出るとさっそくそれらの店があるという方向に歩き始めた。もっとも難波周辺をよく知っている者がいるわけではなく、多少の心当たりがあるという斎藤さんと山本君が大体の方角に残りの3人を先導するような形で進んでいった。こんないい加減な捜し方でわかるのだろうかという不安とは裏腹に、いともあっさり金龍ラーメンの看板が見つかった。

そこでお昼はラーメンの方を食べようということになり、店の方に向かった。案の定というか何というか小汚い店であったが、客はそこそこ入っている。かといって列を作って待たなければならないほどでもなかったので、5人はそのまま店の中に入っていった。店内はカウンターがあるだけで、客はそこに出されたラーメンを立って食べる。カウンターにはキムチが山のように置いてあって、それはいくら取っても良いらしい。

その界隈で有名だというラーメンの味はどんなものかと期待しながら待っていると、ほどなく私の目の前にもラーメンが置かれた。わくわくする気持ちをおさえながら一口食べたのだが、なんとも拍子抜けする味だった。特においしいというわけでもなく、またこれという特徴があるわけでもない平凡なラーメンなのである。回りを見てみるとどうやらみんな同じことを思っているらしい。私たちは黙々とラーメンを食べ、そそくさと店を出た。

そして誰からともなく私が感じたのと同じ落胆の思いをお互いに語り合った。一体なにゆえにこの程度のラーメンが有名になったのか。店を出たときに私たちが抱いた疑問は、その周辺を歩くうちにやがて解けていくことになる。