第13話 / 展望台

展望台へのエレベータもずいぶんと時代を感じさせるものだった。外の風景を見ることができ、それにあわせてテープレコーダから説明が流れるというエレベータは、できた当初は画期的なものだったのだろう。だが今となっては眺望の狭さや音の悪さが目立つばかりで、おそらく景色を楽しむために設定したと思われるゆっくりとした上昇の速度はいたずらに乗客の気分をいらだたせるばかりであった。基本的な機能を軽視して作られたものは、技術の進歩とともに醜悪な姿をさらすことになる。

展望台は思った以上に狭く、人の多さとあいまってかなりの窮屈さを覚える。見晴らしは悪くはないが、さりとて驚くほどのものではない。こういう場ではおなじみの有料の望遠鏡、通天閣を説明する色褪せたパネル、どこの観光地に行っても同じものが置いてあるみやげもの屋などを一通り目にして退屈するまでに大した時間はかからなかった。売店でジュースを買った斎藤さんは店の女の子がかわいかったと喜んでいたが。

そんなわけで展望台には長居することもなく、再び「2階」へと降りることにした。上があの程度のものなら深谷さんの選択は正解だったかもしれない。ただ深谷さんが下に残っていてくれたおかげで、私たちもこの後に少しばかり愉快な光景を目にすることができた。