第28話 / 就寝

私たちがそれまでいた部屋に6人寝るのは狭いだろうということで、もうひと部屋が私たちに用意されていた。そこでふた部屋に4人・2人に分かれて寝ることになったのだが、問題はその分かれ方である。「それじゃあ深谷さん、年寄り二人が向こうで寝ますか」と小木曽さん。すかさず斎藤さんが言う。「ちょっと待ってよ。俺は和泉と寝るのはいやだよ。小木曽さん、向こう行くんだったら、和泉も連れてってよ」。「ええっ、和泉君と二人きりだと襲われてしまうかもしれん」。「ちょっと、何でですか。一緒に寝ましょうよ、小木曽さん、斎藤さん」と、やはりいつものように笑いながら和泉さんが言う。「だってお前、寝てると抱きついてくるじゃん」。「そんなことないですよ」。

この後、多少のやりとりがあって小木曽さん、「やっぱり年寄り二人が向こうに行くわ」と言い残し、深谷さんと一緒にしれっと部屋を出ていってしまった。残された4人は仕方がないといった感じで顔を見合わせ、そして布団を敷きはじめた。「俺は和泉と顔を合わせんのいやだから、壁を向いて寝るよ」。斎藤さんは真っ先にそう言うと、一番端っこを占領して本当に壁の方を向いてしまった。おやおやと思って反対の方を見ると、こちら側の端っこは山本君がすでに押さえている。和泉さんと私はそのあいだに並んで寝ることになった。

すばやく両端を占有した二人、さらにいえば別の部屋に行ったもう二人の選択は正しいものだったかもしれない。だがこの段階ではそんなことがわかるはずもなく、電気を消した後もしばらくのあいだ、私は和泉さんと馬を買う話などをしていた。そのうち和泉さんは眠りに入り、私も静かに目を閉じた。