第37話 / 別世界

私たちは特急に乗り換えて、電車の中で大阪に着いてから何をするかを話し合った。そこで私はかねてより希望を出していたちゃやまちアプローズに行くことをあらためて主張した。もともとの目的がそういうツアーなのだから競馬に関係のあるところに行こうということでみなが合意し、そして阪急梅田駅から近いこともあって、まずはちゃやまちアプローズを目指すことになった。

ちゃやまちアプローズとはJRAの広報センターで、阪急梅田駅から5分ばかり歩いたアプローズタワーの10階にある。梅田駅に到着した私たちは駅の案内板でアプローズタワーの位置を確認した。どうやら阪急ホテルに隣接しているらしく、とりあえずそちらを目標にしてアプローズタワーを捜そうと歩き出した。ところが阪急ホテルはわけなく見つかったが、肝心のアプローズタワーらしきものが見あたらない。外は寒いしせっかく来たのだからというわけのわからない理由に、お互いがなぜか納得して目の前の阪急ホテルの中に入っていった。

当然のことながら建物の中は驚くほどきれいで、小木曽さんに代表される私たちのなりはその場の雰囲気と著しく調和を欠いていた。ふと見ると喫茶店があったのでその表に置いてあったメニューをのぞいてみる。そこには文字通り「桁が違う」数字が並んでいた。またその近くに旅行用のバッグを並べたウィンドウがあったが、こちらの数字はさらに私たちの感覚から大きくかけ離れたものだった。あまりの居心地の悪さに、私たちは早々にその場を離れて、ふたたびアプローズタワーを捜すことにした。