第54話 / intermission

WINSを出た私たちは、そのあたりをぶらぶらと歩きながら、このあとの行動について話し合った。帰りの電車は6時に難波を出るが、それまでにまだ2時間ほど時間がある。とはいえぎりぎりに駅に行くというわけにもいかないから、なんとも中途半端な時間だ。どうしたものかなかなか妙案が出てこない。にもかかわらずあてもなく6人は難波界隈を歩いていく。

そうするうちに昨日から何度も通っている「大たこ」の前にやってきた。相変わらず長い行列ができている。まったくこの寒い中を物好きな人が多いものだ。山本君はまだたこ焼きをあきらめきれない様子だったが、年をとると空腹よりも寒さの方が身にしみる。先を急ぐ年長者に屈する形で、山本君もほかのメンバーにしたがって「大たこ」の前を通り過ぎた。

しかしこのあとの予定は依然として立たない。結局、外は寒いし、このまま歩いていてもしかたないから、適当に喫茶店にでも入って時間をつぶすことにした。そう決まるが早いか、最初に目についた喫茶店に6人が吸い寄せられていく。店の前の陳列ケースをのぞいて、大体の値段を把握して私たちは店の中に入った。このとき小木曽さんが会心の発見をしたことを私たちは知る由もなかった。が、そのことがあとでちょっとした不幸を招こうとは、さすがの小木曽さんも見通すことはできなかった。