第63話 / 餃子

「和泉、どこ行ってたんだよ」。「まあいいじゃないですか」。いつものような会話が展開されるのかと思っていると、名古屋行きの電車が入ってきた。そこで私たちはすぐに電車に乗り込む。今度は行きと違って6人の席をまとめて取れていたので、シートの向きを変えて6人が向い合わせですわる。小木曽さんなどは出発前に、「こういうのってなんかおばさんみたいでいやだな」とか言っていたのだが、やはり最後はこの形に落ち着くようだ。

やがて電車が動き出す。私たちはさっそく買ってきた食べ物を出したのだが、餃子の強いにおいが鼻をつく。パッケージに入っていた時点ですでに気にはなっていたのだが、開けると気になるどころではない。思わず周囲の反応を確認してしまったほどである。もっとも一度広がってしまったにおいをいまさらどうできるわけでもなく、私たちは開き直って餃子を食べはじめた。

私も買ってきたビールを開けて餃子を食べる。するとふたたびからだにかゆみを覚えはじめた。いままでの症状から考えてアルコールが良くないというのはおおよそ見当がつきそうなものだが、まったく懲りないというかやっぱり飲んでしまうのだ。どうもこういう性格だけは死ぬまで直りそうにない。結局、これから名古屋につくまでからだをかきつづけるはめになる。

食べるものを食べ、飲むものを飲んでしまった私たちに、心地よい眠気が訪れた。私たちはそれに誘われるままに眠りに入る。いよいよツアーも終わりに近づいているようだ。