東北地方太平洋沖地震

そのときワシは26階の会議室にいた。下から突き上げるような強い縦揺れのあと、誰もが大きなやがて来るであろう横揺れを予感した。それは高層階特有の長い周期の大きな揺れとなって現れた。まるで船に揺られるような感覚に気分が悪くなる。建物からきしむ音が聞こえる。揺れがなかなかおさまらない。正直、生きた心地がしなかった。いったん揺れが落ち着いたところで会議はお開き。執務室に戻る。再び大きな揺れがやってきた。執務室の大きな窓からはとなりのビルが見える。地震の揺れとともにたわんでいる姿に、おそらくワシがいるビルも同じ状況なのだろうと思うと背筋が寒くなる。

しばらくして交通機関が止まっていることが館内放送で流れる。半田や岡山なら歩いて帰ることもわけのない話だが、さすがに日比谷から千葉までは歩けない。どうも当日中にはJRも京成も復旧しそうにない。結局、会社でのお泊りが決定。あらためて住居と職場が離れすぎていることの不利益を感じる。どうにかならんものかなぁ。

会社で一夜を明かした今日は休日出勤。へろへろになりながら作業を終えて2日ぶりに帰宅。綾さんと瑞樹くんの無事な姿を見てホッとする。やはり家に居るのが一番安心だ。