この種の発言こそが日本の名誉を毀損する

「首相 朝日新聞記事で日本の名誉傷ついた」。問題の証言に関する朝日新聞の報道は、後に学術的な検証を経て妥当性が否定されるという、個人の証言であれば起こりうるであろうことのひとつだし、またそのことが従軍慰安婦問題の歴史学的な結論に影響を与えるものでものない。逆にこの瑣末な証言が否定されたことをもって歴史的事実までも否定しようとする発想こそ、歴史修正主義の謗りを免れない。直接ではないものの、その発想と同じベクトルを向いた発言を公共放送上で一国の首相が行ってしまうことこそ、国際的な日本の名誉を毀損する行為である。しかも特定の新聞社を攻撃する発言は、メディアに対する弾圧の一歩手前まで来ている。もうこの国を民主主義国家とは呼べまい。